この日はひさびさに温泉に泊まります。
湯治部は初めてなのでとても楽しみでした。

まずは受付をして部屋へ案内される。
相部屋の棟からオンドル個室の棟へ移動。

   

4畳半くらいのスペースにゴザが敷いてあり、テーブルがひとつ置いてあるという非常に簡素な造り。布団・毛布・枕をレンタルしましたが他には何もない。

受付の人は「引いてないか?」と言った表情でワタシの方を見たが、
十分です、と答えておきました。正直な感想です。

オンドル(温泉熱を利用した床暖房)で熱せられた部屋はかなり暑い。
暑かったら窓を開けてくれと言われました(;´Д`)

風呂に行く前に、お米の吸水をしておこうと厨房へ行きます。
今回の部屋は厨房の真ん前だったので良かった。

厨房はけっこう広い。
長期で湯治に来ている人なんかは棚に食器を置いている。
(食材は廊下の棚に大量にストックしてある。すごいね)

準備ができたので風呂に行きます。

・・・この温泉で唯一残念な点があります。
それは湯殿の撮影ができないということです。

ここは最高の温泉のひとつですが、それを拙い言葉でしか表現ができないのが残念です。

ヒバ造りの湯殿はそう広くはないのだろうけど、それを感じさせない造り。
湯船からはもうもうと湯気が上がり、周囲が霞むことも狭さを感じさせない理由なのだろう。

控えめな照明と、外から差す僅かな青い光がいい雰囲気を出している。
それだけでも来て良かったなぁと思うのに、お湯がとても素晴らしい。

白濁した温泉はもちろん源泉掛け流し。
飲んでみると、ほのかな酸っぱさとやや金属っぽいダシで美味い。

通常の浴槽の他に、床から大きな気泡が一面に沸く火山風呂、打たせ湯、
泥湯、箱湯、サウナ、あとは露天風呂がある。

箱湯とサウナは温泉の蒸気を利用しているが、特に箱湯が面白い。
一人分のスペースの箱に入り、首だけを出す。中は蒸気で蒸され、けっこう熱い。

要は一人用のサウナなのだけど、首だけを出した大人が4人並ぶ様はシュールである。
まあ、入っているととても心地良いので気にならないんだけど。

泥湯は文字通り泥が混入している。
底には沈殿した泥が溜まっているので、手に取ることができる。

ひとつひとつ、何もかもが素晴らしい。
浴槽をハシゴする度に、いろいろ頭の中を回っていた煩悩がどこかへ行ってしまう。

最高の温泉に入ったとき、心が溶けるといった表現をワタシはよく使いますが、
ここではそれ以上、無心になれます。幸福感だけに包まれ、あとは何も考えない。

温泉を堪能した後は夕食。
吸水させておいた鍋を火にかけます。

今夜のメニューはカレー。ルウとスープは登山用のフリーズドライ製品です。
案外いける、というか鍋で炊く米は炊飯器以上に美味い。

食後は自室でゆっくり休みます。
布団に寝ると、オンドルの熱がより感じられ、薄着なのに汗が出てきます。
だがそれが良い。

この後もう一度温泉に入り、就寝。

翌朝はもう一度温泉に入り、アルファ米のお茶漬けを食べ、
しばらく休んでから出発です。

会計は4000円に届かず。
満足度の割にお金がかからないのが素晴らしいね。

湯治宿としての雰囲気を残しつつ、お湯の良さと楽しさとのバランスも完璧。
携帯電話の電波状態もかなり良いので、外とのコンタクトも容易。

これは冬にも来てみたい。最高の温泉のひとつです。

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