足の痛みをこらえつつ、やっと上高地に下山できたワタシは
そのまま帰宅する選択肢を捨てて平湯温泉へとやってきた。
当然予約はしていないが、どこか飛び込みで入れるだろうと思って。

バスターミナル向かいの観光案内所に入ると、案の定 当日の空室情報が出ていた。
自分の条件は3つ。飛騨牛&朴葉味噌、貸し切り温泉、宿泊費13k以内。

いろいろ比較して、事前リサーチで候補に上げていた旅館たなかさんに決めた。
案内所の人に確認を依頼すると、宿泊OKとの事。16時を回っていたので
有難いことである。

旅館たなかは温泉街の端の方、平湯温泉から安房峠に向かう道の途中にある。
坂道が疲れた身体と痛む足にはツラいけれど、そんなに歩かないので大丈夫。
看板猫のマロちゃんが迎えてくれた。

この猫、非常に人に慣れており、近づくと身体をすり寄せてくる。
撫でてやると、もっとやれと言わんばかりに身を横たえる。かわいい。

中に入るといきなり階段がある。フロントは2階。
いつ改装をしたのかは知らないけど、内装はとても新しく見える。

ここは家族で経営をしているらしい。
感じのいいご主人に迎えられつつ、部屋へ案内される。

部屋も非常にキレイ。畳の匂いがとても良いです。
お茶を飲んだところでお風呂へ移動。
脱衣所は床暖房完備でした。

まずは内湯。

温泉成分のせいなのか、単にリフォームの手が回らなかったのかは分からないけれど、
風呂場は他の場所に比べ古い感じがした。シャワーの向きも変で、気をつけていないと
水や流した泡が浴槽に入ってしまうので注意が必要。

お湯自体は素晴らしい。
99℃の鶴の湯を熱交換と加水で40℃程度まで下げて使っているため日々の温度管理は
大変らしいが、この日は適温。ややとろみのある やわらかいお湯が、久々に酷使を
した身体にしみわたります。

写真的には散々な撮影行でしたが、こんなに良い温泉に一晩中入れるのなら
これはこれで幸せだなと思うのでした。

外に出ると露天風呂があります。
同じ鶴の湯を使用していますが、外気に晒されているので
少しだけ内湯より温度が低いです。

まあ、内湯スキーなので殆ど露天には入らず。

ついでに貸し切り風呂。
今回外せない条件のひとつでした。

別に風呂で何か悪いことをするわけでは決して無いのだけれど、他に誰も入ってくることが無いというのはすごく安心します。

これはご主人お手製の檜風呂だそうで。こっちも少しばかりメンテ状況に難ありと感じだけど、清掃はちゃんとされているみたいなので一安心。

周りから見えるかなと思ったけど、裏は空き地になっているので その心配もなく。貸し切り風呂としては合格点かな。

これも鶴の湯使用。

風呂から上がると食事である。
食事は食堂で頂くのだが、驚いたのは食堂にはテーブルが4つしかなく、それぞれ
椅子も4つだけということ。そこまで規模が小さい宿には見えなかったのだけど。

家族経営(見たところ4人で回している)だと、逆にあまり客を取らないのかも
知れない。部屋の数と合わないのは、客の人数によって使う部屋を変えているのかも。

メニューはこのあたり(奥飛騨温泉郷)一帯で出されるオーソドックスなものだと思う。
やっぱりこれが無いと奥飛騨の宿に泊まったとは言えない。

飛騨牛!飛騨牛!!
キレイにサシの入った肉が、厚めに切られています。
脂も口に上品にとけます。

ただ残念だったのは、以前泊まった新穂高温泉の深山荘と比較すると
全般的に落ちる感じがしたこと。値段はそう変わらないのに。

美味いか不味いかと問われれば間違いなく美味いのだけど、特別に美味しいわけでも
ないという印象を受けたのでした。ただ、山に居た時から体調(特に食方面)が
あまり良くなかったので、そのせいもあるのかなとは思った。

ちなみに、岩魚はちゃんと温かかった。天ぷらは冷めていた。
熱燗1合500円は良心的だと思った。

夕食後は部屋でgdgdしたり温泉に入ったりを繰り返します。けっこう体力を
使うお湯なので、風呂上がりに布団に倒れ込む瞬間も気持ちが良いです。

そして翌朝。
朝風呂の後に朝食ですよ。


飛騨の旅館の朝食で、朴葉味噌は欠かせないと思う。

そして山芋と温泉玉子、カブの浅漬け。夕食と同じように、こちらも他所と似たメニュー構成ですが、この近辺に宿泊するに当たってどれも外して欲しくないメニューである。

ただ、、、こちらも夕食と同じ印象。美味いんだけど何か足りない。ついでに言うと、白飯が大して美味しくない。

某旅行サイトでの評価は一通り高かったので、やっぱり自分の体調のせいかなぁ、、、と思いつつも、何となく残念感が残るのでした。

部屋に戻ると布団が上げてあった。
個人的にはチェックアウト前に最後の風呂に入り、上がってからすこし布団でgdgd
したかったのでこれは残念。先に旅館の人に言っておけばよかった。

そしてチェックアウト。
宿泊費+入湯税+熱燗2合で13750円。一人だしこんなもんか。

宿を出ると、来た時と同じようにマロちゃんが外で座っていた。
こやつはずっとこうしているのだろうか、と思った矢先。

腹を出して寝っころびやがったw
また撫でろってかww

望み通り耳の後ろからお腹まで撫でてやりましたよ。
バスの時間ギリギリだっつーのw

猫との別れを惜しみつつ、坂を下っていく。
チェックアウトの際「疲れた時に食べてください」と渡された飴袋の封を開けてみると、
同封の短冊に手書きで また平湯温泉にお越しください と書かれていた。

何だかんだ言いつつも、しっかり癒されたなぁと思いつつ、
新宿行きのバスに乗るのでした。

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