午前5時半。釜トンネル入口。
こんな時間に入山するのはワタシひとり。
上高地は冬季閉鎖中なので、ここから歩かなくてはならない。

トンネルの長さは1310メートル。傾斜は10.9%と急坂。
現在地を示す表示板を除き、明かりが一切無い。
俗世間とのつながりを絶つ胎道、そんな気配さえしてくる。
  
  
トンネルを抜けると、焼岳、穂高連峰が迎えてくれる。
聞こえるのは水の流れる音と、自分の足音だけ。
誰も歩いていない新雪を踏むのは気持ちがいい。


  
来る前からある程度はわかっていましたが、
霧氷は全くついていない。空はよく晴れているんだけど。

前日降った雪が、一部の木で凍っていますが、あまり美しくない。
遠目で見ると、多少は見られる風景になるね。

今年の1月15日のような大当たりはなかなか出ないです。
もうちょい気象を勉強しないとダメか。
  
  
帰りがてら大正池で面白いものを見つけました。
一本の枯れ木から靄が上がっています。

枯れ木に染み込んだ雪の水分が太陽の熱で温められ蒸発し、
周りの空気に冷やされて飽和しているようです。
ほかの木からは上がっていません。こんなのもあるんですね。

わずか数分の出来事。居合わせたのはワタシひとり。
いろいろ無くしたモノがあったり、狙ったものは
撮れなかったけど、最後に帳尻が合った感じ。
  
  
さて、次はどこへ行こうかな。