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美ヶ原最終日。

朝4時半に身支度を始め、外に出る。
満月が辺りを明るく照らしている。

今回は、この月を撮りにここまで来た。
満月が西の空に沈むころ、昇ってきた太陽が
有明の月を黄金色に染める。

天気は快晴。
最高の条件に気を良くし、撮影場所を探す。

先生に教わったポイントに行ってみるが、
「ホテルから近く、かつ大人数でも安全な場所」
でしかなく、いまひとつイメージに合わない。

さんざん迷ったあげく、前日行った王ヶ鼻に行くことにする。
  
  
  
ホテルから10分ほど下ると、王ヶ鼻との分岐に着く。
この先は、殆ど人が入っている様子がない。

それでも通常は、人ひとりが通れるくらいの
踏み固められた道があるので十分歩ける。

しかし、、、前夜に前線が通過し、雪が積もっていた。
道が完全に消えている。
  
  
試しに踏み出してみる。
少しでも踏み外すと、膝まで雪に埋まる。

ダメか。。。
そう思い、10歩ほどで引き返えしてしまう。
  
  
再び、先を見つめる。
しばらく眺めているうちに、前日通ったルートが何となく見えてきた。

下見をしていなければ諦めていた場面。
しかし、何とか行けそうな気になった。
  
  
慎重に足を進める。
10分ほど歩くと、視界が一気に開けた。
  
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夜明け前の松本市街。意外に明るい。
満月が、何とも言えない表情をしている。

美しい。
人工物に興味を示さないワタシが、あまりの光景に言葉を失う。
  
  
急いで撮影準備をする。
意外に、月は動くのが速い。

辺りはあっという間に明るくなり、
黄金色の月は北アルプスに沈んでいった。

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下見をしていなければ来られなかった場所。
他に誰もいない中、すばらしい光景に出会えたのは、
前日の下見があってこそ。

本当にラッキーです。